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Posted by 諭吉セブン
 
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猫おばさんのこと
「生きてる、戻ってくるから あきらめたらあかん」
そう言ってくれたあの人は
今も元気で猫と遊んでいるかな。

最近、ケガをしたせいで
このブログに露出が多くなった
我が家の茶トラ猫、桃ちゃん。
桃ちゃんの家出は何度かあって
その大冒険の話は、とてつもなく長いので
いつか書こうと思います。
後藤さんのブログで思い出したので
桃ちゃんの家出の話を少し。

_IGP6421.jpg

今のマンションに引っ越して数か月後、
桃ちゃんは突然いなくなった。
前夜、夫と大喧嘩をした。
いつもそうだが夫と喧嘩をすると
桃ちゃんは怖がって、嫌がって出ていく。
前のマンションではベランダづたいに逃げていた。
引っ越ししたマンションでは
私たちの部屋は独立した作りになっていて
ベランダづたいにはどこにも行けない。
家にいないということは
どうやら飛び落ちたらしい。
そしてここは七階なのだ。
落下してぺっしゃんこになっていてもおかしくない。
マンションの敷地や周辺やら
あちこち必死で探したけど姿は見つからない。
どこかの家でかわいがってもらえるならいいけど
ケガをしてうずくまっているかも知れない。
車に跳ねられているかも知れない。

お店や犬猫病院などに声を掛け
犬猫のいそうなお家にも一軒一軒声を掛け
連絡先を渡した。
それでも桃ちゃんは見つからなかったので
庭で飼われているわんちゃんのいるお家には
「もしここに茶とらの桃ちゃんがきたら教えて」と
キョトンとするわんちゃん相手に話し掛けておいた。
(↑完全におかしくなっている私)

_IGP6477.jpg

あちこち尋ねて歩く中で
我が家から少し歩いた所に毎日出没する
猫おばさんがいることを知った。
野良猫に毎日、ごはんと水をやっているらしく
評判は悪そうだった。
お話してみると何も考えていないわけではなくて
ちゃんとポリシーは持っておられた。
この猫たちには何の罪もない。
捨てたり、手術などもしないで野放しにして
その結果、この猫達はここにいるだけで
結局は無責任な人間の仕業と

吐き捨てるようにつぶやいていた。

私はその人に
マンションの七階から飛び降りて
猫が生きているのかさえわからないことを話し
マンションの何階でも猫が帰ってくるのかと聞き
もし見かけたら連絡してほしいと伝えた。
するとその猫おばさんははっきりと
「帰ってくる、生きてるからあきらめてはだめ」
「名前を呼んであげて」
「家の玄関と裏を開けてあげて」と言われた。

玄関と裏側の窓を開けたまま仕事には出られないこと
それでは共働きの我が家で不用心過ぎること
そもそも七階なので非常階段を使ったりエレベーターを使って
猫は戻ってこられないので扉を開けても意味がないこと。
そんなことを話そうとするが
こっちの話は一切聞かない、聞いていない。
「名前を呼んであげて」と
「扉を開けて」を繰りし話すだけ。
そして必ず生きていると、帰ってくると
何度も何度も言ってくれた。

そのあまりの迫力と一方的なほどの強さに
「扉を開けて」は物質的に無理なので諦めたものの
名前をいつも呼ぶことだけは実行した。
その頃京都から宝塚まで仕事に行っていたので
帰宅は夜の11時頃で夜中から朝方まで
「桃ちゃんーー」と何時間も探し回る。
そして朝方家に帰りほとんど寝ずに
又、宝塚まで向かうという生活をした。
通勤が片道2時間かかるので
往復4時間が睡眠時間の中心だった。
そんな生活が長く続くわけはなくて
一か月ほどがんばってから
何度も諦めようとすると
桃ちゃんは夢枕に立つ。
もうちょっとがんばろう。
しかし、極度の寝不足と
変わったばかりの仕事は慣れなくて
疲労は隠せなかった。
もうそろそろ諦めようかな。
どんどんやつれていく私を見て
夫はもう何をしてもいいから
あいつ(桃ちゃん)を探すのは止めてくれと言ってきた。

そんな時にポストにハガキが来た。
あの猫おばさんからだった。
「猫ちゃん、帰ってきましたか?
必ず見つかります。絶対大丈夫です。
 名前を呼んであげて。
 扉を開けておいて、閉めたらあかんよ」
そのハガキをみて
もうちょっとだけ頑張ってみようと思った。

_IGP6478.jpg

友達に話すと
「わざわざ家まで来て、その人怖いわ」と言われたけど
私より桃ちゃんの帰宅を信じている人がいるんなら
もう少しだけ、あと少しだけでも頑張ろうと思った。

いろんなことが重なって
桃ちゃんは家に戻ってきた。
実に二か月近くなる家出の間、
ほとんど何も食べれてなかったのだろう。
痩せこけて目は飛び出していた。

それから半年後、我が家には柴犬のななちゃんが
家族に加わった。
あの時、私が夢遊病者のように
桃ちゃんを呼んで探していたので
「何でもしていい」と言ったのは夫だ。
嫌がっていた犬を迎え入れてもいいと言っていた。
私はその言葉を忘れていなかった。

そして「扉を開けておいて」は
本当の扉ではなくて
いつでも帰れる場所を作って待ってあげてという
意味なのかもしれないと思うようになった。
あの時、桃ちゃんの家出の間に
ななちゃんが加わっていれば
新しい猫でも来ていれば
桃ちゃんは居場所がなくなって
又、家出をしていたかも知れない。

桃ちゃんが戻ってきて以前と変わったことは
いくつかある。
夫ともめそうになっても
桃ちゃんが出ていくと嫌なので
我慢していたら喧嘩の回数がどんどん減った。
そして朝晩、桃ちゃんが潜伏していたであろう
すぐ近所の神社に
「桃ちゃんを守って下さい」と
お願いにいく習慣がついてしまったので
今でも毎朝のように氏神様に手を合わせるのが
日課になった。

_IGP6463.jpg

あの猫おばさんは元気にしているのだろうか。
桃ちゃんが無事に帰ってきたことは
ハガキで報告しておいたけど
あれから姿は見ない。

甥っ子に数年前まで、
猫が二匹いるおばちゃんということで
「猫おばちゃん」と呼ばれていた時期があった。
別にどう呼ばれてもいいわと思っていたけど
近所でばったり会った時に
「猫おばちゃんー!!」と大きな声で叫ばれて
これはとても恥しくて嫌だった。

後藤さんのブログで
「良かった」と当時を思い出して号泣した。
あの時、私の周りでたった一人
何の確信も確約もないのに
「大丈夫」って言いきってくれた人がいた。
私も友達や誰かが怖かったり心細くて
どうしようもない時に
ちゃんと「大丈夫」って言い切れるのかな。
そんな人になれるなら
猫おばさんも猫おばあちゃんも悪くない。

後藤さんのブログ→キキちゃんのこと










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