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Posted by 諭吉セブン
 
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怒りの行方
徳島から戻った日
ポストにメール便が届いていた。
数週間前にアマゾンで頼んだおいた
来年のスケジュール帳だった。

毎年買う西洋占星術のYさんの占いが
たっぷり載ったそのスケジュール帳は
今年はかなりバージョンアップして
私のテンションは上がりっぱなしだった。
ところがその2日後に
出版ミスが発覚したらしい。
芸能人のブログやツイッターが炎上というのは聞くが
初めてブログの“炎上”というものを見た。
出版社より先にYさんが自分のブログに
謝罪の文を載せると
コメント欄がそこから2,3日で
100件を超える書き込みになった。
多分、コメント欄だけでなく
本人への直メールも行っているだろう。
内容は“怒り”だけではない。
「大丈夫ですよ、気にしないで」
「出版関係の仕事をしていて他人事とは思えない」
などの励ましや同情の言葉から
「買わなきゃ良かった」だの
「誠意が感じられない」
「だから、あなた自身はどうしたいの」
「最近、調子に乗っているんじゃないの」など
匿名で好きなことが書いてある。
そしてそのコメントに対してご本人でなく
又、他の人がクレームをつけ
怒ったり、ばかにしたりしている。
まるでうっかり
「2ちゃんねる」を覗いてしまった時のような
後味の悪い感じがした。
誰が誰に失望したのか
何に対して怒っているのか
怒りそのものが変わっていたりする。

怒っているうちに怒り過ぎて
誰に対して、何に対して怒っているのかさえ
わからなくなったり
争う相手でない人と
もめることもあるだろう。

_IGP9688.jpg

老人ホームの仕事の時に
とても理不尽なことで怒られたことは
何度も何度もあったなぁ。
「俺の人生を返せ!」と頭痛がするほど
怒鳴られたことは今でも
簡単に思い出せる。

体調が悪くなった
老人ホームに入居中の高齢者さんが
緊急搬送してそのまま入院となった。
その家族、息子さんは入院ということで
お金がかかると言って怒って
私に当たり怒鳴り散らした。

「なぜ、病院に連れていったのか。
 いったいお金がいくらかかり
 どれくらいの入院になるのか」

どれだけ怒られたとしても
命に関わることだし
苦しんでいる人を
放置しておくことは出来ない。
するとおまえ(私)が病院代を払えと怒られ
老人ホームの保証人を降りると怒り
どれだけ親のせいで
自分の人生が大変だったかを語られた。

あの親のせいで希望の大学に行けず
あの親のせいで希望の会社で就職できず
あの親のせいで好きな人と結婚できず
あの親のせいで離婚することになった。
俺の苦しみがどれだけわかるのかと。

そしてその後、又怒りはこちらに向いて
私は怒鳴られ、叫ばれた。
「俺の人生を返せ」

もうここまでくるとどうしようもない。
私はこの息子さんの人生を
破滅させた覚えはない。
それでも理不尽に怒られると言うのは
精神的には持ちこたえられても
頑張って平静を装い続けたおかげで
体はぐったり疲れた。

結局、その入居者さんは
翌日には病院を退院された。
本当は入院が必要だったけど
認知症や精神疾患もあって
病院で一晩中騒いだので
追い出されたというのが正確な理由だ。
なので翌日にはもう息子さんも
お金の心配がなくなってケロッとされ
私に「俺の人生を返せ」と言ったことも
忘れておられるような気がしたくらいだった。
そもそも何に対して怒り
怒りがどこまで行き
なぜ理不尽に怒鳴られたのかはわからない。

_IGP9757.jpg

Yさんの炎上したブログのコメントを読んでいると
その内容の“幼なさ”にちょっと悲しくなった。
でもなぜ、そう思いながらも
私はそのコメント一つ一つを読んだのだろう。
きっとそれはあほらしいとか
幼稚だなと思いながらも
私自身が持っている気持ちを
写した鏡なのかも知れないとも思う。
誰かや何かに期待したり
自分で動いているようで
他力本願だったり
思うようにうまくいかなかったら
その責任をどこかに求めたり
目先のことで怒ったり悲しんだり。

これからもきっと私は
怒った所で何も始まらないことがわかっていても
現実を全部受け入れ許せるほど
“出来た人”にはなれないかも知れない。
それでも何に怒っていたのか
何に悲しんでいたのかを見失わないように
誰かや何かのせいにせずに
目の前のことにいつも
向き合っていきたいと思った。

Yさんはきっと出版社から謝罪のコメントが出る前に
制作者側の責任として
とりあえず早く
どこかで謝りたかったのだろう。
占いをネットで発表することで
今の位置を築き本を何冊も出した人だから
誹謗中傷も覚悟の上だと思う。
この件に対して更に数日後
出版社の窓口が案内され
ブログはしばらくして落ち着きを取り戻した。
今年のYさんの手帳がきっかけはどうあれ
例年より多く売れますように。
















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Posted by 諭吉セブン
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