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Posted by 諭吉セブン
 
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ウォーミングアップ
*3月の日記ですが
写真は4月中旬の宇治植物園の桜。
見頃は4月中旬から下旬にかけて。
写真と文章は全く無関係です。

4月から仕事を再開するので
3月は少しだけバイトをすることにした。
新しい仕事が決まったのに
又、すぐに忙しくなるんだし
ゆっくりしてたらいいのにと
いろんな人から言われたが
ちょっと働いておかないと。

失業保険もようやく切れて
体力的な自信もつけたいし
毎日のリズムも調整しておきたい。
何より管理職を何年もやって退職し
そのままゆっくりしていたせいで
中途半端についている
“自信”や“プライド”が残っていたら
新しい職場で苦しむのは自分自身だ。

IMGP1077.jpg

結局、2週間だけ
京都駅近くの某有名ホテルで
メイドの仕事をすることになった。
10代からいろんな仕事やバイトをしてきたけど
ホテル業界は実は初めてなのでちょっと楽しみ。
しかし1日目から体力が続かないと思うほど
驚く超ハードさだった。
1日5時間くらい大丈夫と思っていたが
トイレに行く隙もなく
もちろん一瞬たりとも座れない。
5時間、動きっぱなしというか
走りっぱなしでクタクタで
初日から腰痛も出てきて
足も強烈に痛かった。
汗だくになるのだが
トイレだけでなく
水分補給の時間もないので
何度も意識が飛びそうになる。

同じ時期に同じホテルの
仕事を始めた他のパートさん達は
私のようにどこかで働くことを決めて
それまでの準備などではない。
この仕事を頑張って続けようと
仕事を始めた方がほとんどだった。
20代の大学生もいたが
50代以上の年上の人達が
体にムチ打って新しい仕事で
必死で頑張っている。
現場を仕切っているのは
これまた皆、パートさんばかりで
60代やもっと上??
腰の曲がっている人もいた。
そして皆さん驚くほど体は身軽で
鋭敏に動き続けられていた。

IMGP1080_20130419001232.jpg

たった2週間だけだから
頑張らなきゃと言う気持ちと
仕事を始める前に倒れたくないし
腰を痛めたら困るなという気持ちが起こる。
ここでしんどいと言えば
「だから最初から行くなって言ってたやろ」と言う
夫の声が聞こえるようで
初日から3日はとにかく必死だった。
何を頼まれても
いつも笑顔でいるようにし
明らかに私がやっていないことで注意されても
「すいません」と謝った。
忙し過ぎてホテルで働く人達は
全職種、職員同士の挨拶も
驚くほどなかった。
これは気持ちが悪いので
とりあえず自分が気分よく過ごせるように
返ってこなくても勝手に挨拶するようにした。
あほらしいと思ったらそこで終わる。
大丈夫、何でも出来るはず。
たった2週間だけの仕事だもの。
何度もそう言い聞かしてみる。
しんどくてどうしようもない時間は
以前一緒に働いていた
Yさんとの会話を思い出したりした。
今こんな短い期間の仕事でも
投げ出してしまえば
私も所詮「潰しの効かない人」になってしまう。

何度も転職した経験がある
Yさんも私も昨年同じ職場を退職したが
彼女は11年くらい? 私は7年。
今までの職歴を考えると
よく続いたなと思う。

IMGP1096.jpg

『潰しの効かない人になりたくない』
どこの会社にでもいる
「辞めたい、辞めたい」といいながら
会社を辞めない人。
今の安全な場所を去ることはないし
他の会社では通用しない人。
それが本当はわかっているから
ずっと安全な同じ場所にいる。
あんな風になりたくない。
いつまでも成長したいし
変わることを怖がりたくない。
何処に行ってもいくつになっても
通用する自分でいたい。

残業でヘロヘロになっている時
仕事が無意味に思えるほど打ちのめされた日に
そんなことをよく言い合っていたな。
あの会社だから通用したとか
そんな自分にはなりたくない。
どれだけ重い看板を背負わされても
大きな組織の中にいても
私は私以上でも以下でもない。
4月から働く所は又、
重い看板がついて回る
固い会社であるけど
何処で何をしても
それはきっと変わらない。

IMGP1088.jpg

ホテルの仕事は4日目から突然
壁を一つ越えたかのように
吹っ切れたように楽になった。
腰も足も痛いけれど
慣れというのはすごいものだ。
人の動きがしっかり見えてきたので
どう動けば最小の動きですむのか
相手も楽に気持ちよく動けるのかを
見る余裕が出てくるようになった。
そうなると汗の量も減るので
水を飲まなくても体は持ち堪える。
帰りにホテルの美味しいパンが
格安で買えるという楽しみも覚えた。

しかしかなりのハードワークなことは変わりなく
伸ばしていないはずの爪が
あちこち割れてヒビが入り
手のひらはガサガサで
シーツで簡単に手が切れたりする。
手足には知らない間に
ぶつけた痣がいくつも出来た。

初日に必死でシーツを張っている私に
その階のリーダーにあたる人が
私の掌の上にシーツをバンバン投げつけてきて驚いた。
慣れない新人と一緒に
べットメイクをするのは
確かにイライラするとしても
必死で仕事をしている人の手の上に
シーツを投げつけるなんてと思ったけど
これはホテルでペアを組んで
手早くシーツを張るには
当たり前のことらしい。
(早い人同士だとならない)
私の動きが遅くてタイミングが合わずに
顔面にもシーツは当てられた。
慣れれば相手との呼吸がすべて合ってきて
一つのベットを作るのに
ベットカバーとシーツ2枚が
わずか1分もかからずに仕上がる。
最初はわからなかったシーツの山と谷も
瞬時に判断できるようになって
動きはやたらと早くなり
サクサク動けるようになってきた。

徐々に仕事に慣れてきたことで
黙々と働きながらも
一人で考える時間も持てるようになってきた。
たった一泊だけなのに
なぜこんなに部屋によって匂いが違うんだろう。
香水、体臭、食べ物の匂い、煙草など
交じりあうと部屋の匂いは
扉を開けた瞬間、全く違う。
掃除機掛け、シーツ交換、換気に
空気清浄器を最大で回し
匂いのしない状態にしておいても
翌日には又、それぞれの部屋から
全く異なる匂いと空気が広がる。
驚いたのはそれだけでなく
ベットの乱れ方と浴衣の脱ぎ方だった。

特に躾のいい家に育ったわけでもないし
特に行儀のいい常識のある
友達ばかりがいるわけでもない。
それでもいろんな人と旅行に出掛けて
私の友達は今まで誰一人として
そのへんに服を脱ぎ散らかして
出掛けようとする人もいなかったし
布団も浴衣などの寝巻も
皆、何となく整えておくのが
最低限のマナーだと思っていた。

ところがチェックアウトされた部屋も
連泊予定の部屋も
強盗が入ったようなに散らかっていて
あと一口で食べ終える菓子パン。
ティッシュはゴミ箱でなく床。
浴衣はさなぎのように抜け殻のように
厚みまで残っている感じで脱いである。
まさか寝坊して大急ぎで
京都観光に行っているわけでもないし。
そんなことが当たり前の中で
毎日、数部屋だけは
布団をちょこっと直し
浴衣もちょこっと畳んでくれていて
ゴミもきれいにまとめてくれている所もあある。
こんな部屋に遭遇すると
どうせ浴衣もシーツも
全部まるめてすぐに洗いに出すのだけど
この部屋に泊まった人が
京都でいい思い出が出来るようにと
祈りたくなってくるものだ。
気をつけて帰ってね。
又、来てねと
自然に思えたりする。

IMGP1082.jpg

2週間のバイトが終わる前日
ホテルの担当の方から
お褒めの言葉をいただいた。
「どの階でも評判がいいよ。
残念やな。続けてくれたらいいのに
次は何の仕事をするの?」
と言われたので
「介護関連です」と答えると
「そんなしんどい仕事を??」と驚かれたが
ホテルの仕事は介護より楽だとは
決して思わないのだが。
介護の仕事はきつい時もあるが
目の前で喜んでもらって
直接お礼を言ってもらえることも多い。
ホテルの裏方は直接お客さんと
顔を合わすことがないので
「ありがとう」など言われることは少ない。
そんな環境でモチベーションを上げて
長年働き続ける人は
どんな気持ちでやっているのだろう。

IMGP1101.jpg

短い間だったけど
最初の3日で辞めなくて良かった。
ちっぽけなプライドも自信も
脂肪や垢などまで含めて
体中からたくさん落ちた気がする。
初日、一緒にベットを作って
私の手の上に何度もシーツをぶつけてきたリーダーさんは
初日のことなど覚えてもいないようで
バイトが終了する前日に
「又、一緒に働きたいわ」と
誉めちぎって下さった。
短期間だから出来ただけで
この仕事をずっとということなら
きっと難しかったと思う。
リーダーさんのように
長くは働けないだろうし
60をとっくに過ぎても
軽く飛ぶように動かれている姿には
尊敬すらしてしまう。

ホテルの裏側から見る人間観察は
お客さんも職員も面白くて
ここに短くは書き切れない。
それにしても京都には
観光客がこんなにも多いということを
ずーっと住んでおきながら改めて知った。
連日、ホテルは満室である。

IMGP1092.jpg

京都には世界中から
憧れ夢見て
訪れる人が溢れるほどいる。
その人達を迎えてくれるのは
有名な神社や仏閣や
古い伝統を大切に守る人だけではない。
黙々と裏方で働き続け
「ありがとう」と言われなくても
京都にやってくる人の疲れがとれるくらい
びしっときれいにシーツを張り
部屋を整えてくれる
ホテルのパートの女性達もだということも
忘れずにいたいと思う。

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