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Posted by 諭吉セブン
 
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誰かを思う
連日、地震の報道が続き
なかなか穏やかに過ごせない。
久々のお休みの夕方、
じゅんこさんにふらっと会いにいく。
いつもの笑顔で
「不安な気持ちもそのまま被災地に届くよ」と言われ
もう少し自分自身がどーんと構えていようと思った。
じゅんこさん、いつも本当にありがとうございます。

明けて次の日、出勤する。
うちの会社は仙台に3件の老人ホームを持っている。
そこも大変な状態になっているらしい。
ライフラインの確保もそうだけど
水や食料などもなくなり
スタッフの中に行方不明者が出ている。
会社としても岡山や大阪で物資を買って
東京まで車で走る部隊と
東京から仙台まで走る部隊に分かれて
何とか持ちこたえてもらえるように
皆で協力し合う体制で動き出した。
各老人ホームからも
ホーム長やサービスリーダーだけでなく
仙台まで交代で手伝いに行くらしい。
強制でなくて、あくまで任意で。

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諭吉は白いほうです

うちのホームだけ
どうも声が掛からないと思ったら
4月に入ればすぐに始まる引越しで
現在ごったがえしているのを心配して
声が掛からなかったらしい。
約10日間の日程で仙台に交代で行く。
私も行きたい、役に立ちたい。
しかしホームの引越しを控えて今、
私が長期間いなくなることはかなり難しい。
現在、2つのホームが同時に進行している感じで
片方は誰もいないはずなのに
何やかやと工事の手直しや業者の対応で
細かい用事もあったり
おかまいなしに進んでいく日常や
引越しで不安なご家族の対応も連日続いており
それさえもうまく対応できていると思えないほど
とにかく連日大忙し。
結局、最後の最後に
上司から何人かに声を掛けてくれと言われた。

私が説明したその場で「行きます、行きたいです」
そう言ってくれたスタッフさんが2人もいた。
ありがとう、でも行けるのは1人で
2人で行かれると、このホームのシフトが回らない。
なのでなくなく1人ということに。
行けませんと断った人もつらそうで
「家族が心配で本当は行きたいけど」
と悲しい顔で言うのでその度に、ごめんねと思う。
結果、行ってくれることになった浅野くんは
私のブログにはバレーの時などに写真を載せている青年。

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とにかく誰にでも優しい。
重いものを持っている時、
両手が塞がっている時も
どのスタッフさんでも高齢者さんでも
誰であっても視界に入ると
いつも駆けるように走ってきて
扉を開けてくれたり
荷物を持ってくれたりする。
誰が教えたわけでもなくて
瞬間的に体が反応する。
おまけに運動神経は抜群なので
とにかく早く誰かを助けてくれる。
小柄な事務のNさんが来客用にお茶を出そうと
ダイニングに入った瞬間に
上の棚から急須を出してくれるのは彼だけらしい。
被災地に行くには適任だと思う。
活躍が目に見える。
しかし若いこの子を
自分ならともかく危ない所に行かせるのは
ご両親も心配されるだろうし
余震もある。
やっぱり私が行こうかと言い出すけど
「引越しを前に行かれたら困る」と
サービスリーダーからも説得され
まず自分のいる場所で出来ることをしよう、
ご入居の皆さんを無事に引越しさせることが
今の私の一番大切な仕事だしと
何度も何度も言い聞かすが
やはり穏やかではいられなかった。

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諭吉は奥で寝てるほう、元気に顔を出しているのは“のこちゃん”

夜のミーティングで
浅野くんが仙台に行くことを皆に発表すると
「私の分もがんばって」と
スタッフ全員から拍手が起こった。
そしてせっかく30人ほどが集まっていたので
皆でこの地震で亡くなった方へ
ご冥福を祈って黙祷する。
皆で被災地に思いを馳せる。

翌朝、スタッフさんの一人から
何度も何度も電話が入る。
「仙台行きを止めさせてほしい
 昨日も大きな地震があって心配だから
 募金とか出来ることをして
 彼を行かせないで。誰も行かせないで。」
という内容だった。
子供を持つ母親であるスタッフさんは
とても心配しているのだろう。
心配でない人などいない。
でも、誰かが行かないといけない。
浅野くんが行かなければ代わりに誰かが行く。
うちのホームからなのか
他のホームからなのか
それはわからないけど。

「心配なのはわかるよ。でも私が止めることは出来ない。
 どうしても止めたかったらその気持ちを
 本人にぶつけてもいいと思う。
 それでも浅野くんは行くと思う。
 リスクも承知で行くと言ってくれてる。
 誰も行かなければ誰も助けられない。
 今、私達が何かできるとすれば
 彼の分もがんばって無事に引越しにむけて
 自分の仕事をすること、シフトを守って
 ご入居の方やご家族に不安を与えないこと。
 そして浅野くんが安心して仙台でがんばれるように
 ここを皆で守って浅野くんが帰って来た時に
 皆で笑顔で迎えられるようにすることやと思う」

そういいながらこれは
自分自身に言い聞かせていた。
昨晩私は寝ていない。
新卒でもうすぐ3年目、
未経験で介護の世界に入ってきた浅野くん。
女性だらけのスタッフさん、入居者さんの中で
最初は本当に緊張していた。
私と話す時もなかなか目を見て話してくれなかった。
いろんなことがあって
今ではすっかり打ち解けてくれた。
バレーでも職場でも大活躍で
ご入居者さんからもご家族さんからも大人気だ。
真っ直ぐな澄んだ目で
「仙台、行きます、行きたいです」
と言ってくれた目は
何の曇りもなかった。
そんな彼を行かしていいのか
やっぱり自分が行くべきではないのか
この職場でどんどん成長していく
家族のようなスタッフさんを行かすくらいならと
何度も自問自答したけど
今のホームの仕事を最後まできっちりとやって
新しいホームに繋げるためには
私はここでこの場所を守るしかない。
彼女を説得しているようで
その電話でやっと
思いが吹っ切れてきた。

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こんなにかわいかった、諭吉!
白い!!今は別猫のようですが・・・


夕方から香里園の新しいホームに行く。
ちょうど間にあるイロハベーカリーさん。
今日は大阪府の認可をもらうための
監査のようなものがある。
手伝ってくれる人の為に
パンを買って行こう。

イロハベーカリーさん
レジ担当のお父さんからパンを買っている時、
次に入ってきたお客さんの自転車が
店の前でばたーんとひっくり返った。
どうやら前かごやらハンドルに荷物を乗せすぎて
自転車がひっくり返ったようだ。
ご本人はパンを選んでいた。
その瞬間、イロハベーカリーさんの優しいご主人は
お店の奥から飛び出して
自転車を起し、荷物を拾ってあげていた。
自分がぶつかったわけでもなく
お店の前の什器がひっくり返ったわけでもない。
本人がこけたわけでもないのに
「あっ」と思った瞬間に、体が反応するのだろう。
これは浅野くんと同じだ。
誰かが喜ぶとか助けてと言われなくても
自然に体が動くんだろう。

私のパンを袋に入れてレジを終えたら
ご主人のお父さんもお店の外に飛び出して
一緒に荷物を拾ってあげていた。
お二人が荷物を拾ってくれているのに
お客さんはあまり有難がっていないようにも見えて
落ちてしまった買ったばかりの
小さな鉢植えの花ばかりを気にしていた。

そんなシーンを目の当たりにして思う。
結局誰もが優しいのだ。
仙台に行くと即答してくれたスタッフさん
家族が心配でいけないという人も
心配だから行かさないで、止めてという人も
イロハベーカリーのご主人やお父さんも
そしてあのお客さんも
誰かにあげようと買ったばかりの
花だったのかも知れない。
誰もが誰かを思っている。

大阪府の認可は無事とれた。
一番いろいろ動いて準備してくれていたKさんは
監査の始まる寸前に
「今夜、物資を買い集めて東京まで走ってくれ」
という通達があって
私があげたパンをおいしそうにほおばると
すぐに出掛けた。
Kさんいろいろありがとう、
どうぞ気をつけて、皆の分もがんばってね。
そう思って見送った。


*この記事の写真は諭吉が我が家に来る前、拾われた頃の写真。
横にいるのはお姉ちゃんか妹の“のこちゃん”
なかなか里親が見つからず残っていたのでのこちゃんらしい。
今でもとても元気で、優しい家族の下で幸せに暮らしているそう。
諭吉といつか会えますように。

*私の習っているNPO気功協会の
震災特設ページが出来ました。
体を揺すったりさすったり、とてもシンプルな動きでも
気持ちがすーっと落ち着きます。→ てあての心で












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Posted by 諭吉セブン
comment:4  
[diary
comment
諭吉さんたちの写真、めっちゃ、めっちゃ、癒されました!
ありがとう~♪
2011/03/18 09:39 | | edit posted by ともこ
Re: タイトルなし
ともこさん、ありがとう。
心を痛めている方が多いので
ブログをやっている人間として
かわいい写真や癒される写真を
せめて載せて少しでも
「ほっ」としてもらえたらと思って
古い写真を載せてみました。
なので良かったです♪
2011/03/18 22:05 | | edit posted by あゆみ
きっと彼ならやってきてくれるはず。
力になってきてくれるはず。
無事に帰ってきてくれるはず。一回りも二回りも大きくなって。

そう信じています
旦那さんに話をしたら、「歩も行くって言えばよかったのに。目でちゃんと見て現場知ったら、また考え方が広がるで」と言われました

確かにそぅやし、即答できなかった自分がちっぽけに思ってしまったけど…

今、自分のキャパで出来ることを懸命に、そして浅野くんの帰りを待ちたいですね

2011/03/25 20:51 | | edit posted by あゆちゃん
Re: タイトルなし
仕事の帰りにコメント2つもありがとう♪

いよいよ昨日から旅立っていった浅野くん。
毎日電話してよって言ったけど
「毎日ですか?」って言ってた(笑)


もっともっと大きくなって、
もっと優しくなって帰ってくるのが誰にでもわかる感じやね。
でもそんな彼を気持ちよく送り出してくれ
シフトをしっかり守ってくれている
あゆちゃん達も私は素敵だと思って感謝しています。
ありがとう。

4月1日か、戻ってくるの。
今からとても待ち遠しいです~
2011/03/25 22:03 | | edit posted by あゆみ
comment posting














 

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