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Posted by 諭吉セブン
 
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見えない世界~ダイアログ・イン・ザ・ダーク
人ごみで急に前の人が立ち止まったり
靴の紐を結びなおす為にかがみこんだ人に
後ろを歩いていた自分が
予測できない他人の動きについていけず
こけそうになったり
ぶつかってしまいそうになることがある。
そんな経験はきっと誰でもある。

青森のともこさんが
 *以前も書きましたが
  青森のともこさんは気功の仲間で
  神戸のともこさんは森田料理教室のお友達

この秋から東京に何度か勉強に行くことを知って
私に教えてくれたのが
ダイアログ・イン・ザ・ダーク
ズーニーさんの講座の前に行こうと思っていた。


子供の頃から『ど近眼』だった私は
普段、コンタクトをして生活していて
寝る前はメガネに変わる。
夜中にトレイに行こうとしても
足元がぼやけて見えないくらい目が悪い。
コンタクトやメガネがないと
家事も仕事も
普通に家の中で過ごすことすら出来ない。
「見えない」という事実をとても怖がる自分が
暗闇で過ごすということに
どんな反応をし、何を感じるのか。
でもきっとこれはいい経験になるだろう。
気功の天野先生に去年教わった
体力は年齢と共に衰えるけど
感覚は磨けば鋭くなると。

ダイアログ・イン・ザ・ダークは、
まっくらやみのエンターテイメント
完全に光を遮断した空間の中へ、
グループを組んで入り
暗闇のエキスパートである
アテンド(視覚障害者)のサポートのもと、
中を探検し、様々なシーンを体験します。
 その過程で視覚以外の様々な感覚の可能性と
心地よさに気づき、そしてコミュニケーションの大切さ
人のあたたかさを思い出します。

世界 30か国・約110都市で開催され、
2010年現在で600万人以上が体験したこのイベントは
1989年にドイツで
哲学博士アンドレアス・ハイネッケの
発案によって生まれました。
1999年以降はボランティアの手によって
日本でも毎年開催され、約7万人が体験しています。

  ホームページ 初めての方へより抜粋

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感じたことはまず
暗闇は思いのほか温かかった。
そして皆が素直で協力的だった。
7、8人のグループは
今日会った人ばかりで
誰一人知らない。
皆、いきなりあだ名で呼び合う。
「やっちゃん、ゆうちゃん、
 ちーちゃん、あっくんなどなど」
やっちゃんの顔もゆうちゃんの顔も
ちーちゃんの顔も一瞬しか見れない状態で
よく思い出せない。
さっきあったばかりで急に暗闇に入ったので
誰が誰だかわからない。
皆で安全に進む為には
お互いに声を掛け合わなくてはいけない。
「横、通るよ」
「ここに○○があるよ」
「杖を落としたから拾う、かがみこむよ」とか。
「ここに段差があるよ」

皆が見えないのだから
声を掛け合わないと
どこに誰がいるのか、何をしているのかが
全く伝わらないので
皆、自分が誰なのか今何をしていて
次に何をしようとしているのかも
言わないといけない。
急に入った暗闇で
最初は皆が照れながらも声を掛け合う。
アテンドのちーちゃんだけは
穏やかでずーっと落ち着いていて
全員が何をどう感じ
次にどう動くのかもわかっているようだった。
進む先々で必要なものを的確に調達したり
必要な所をサポートしてくれる。
途中でお茶を飲んだけど
皆がバラバラのものを頼んでいても
この人がコーヒー、ビール、ジュースと
その席順もバラバラのお釣りも
まるで見えているかのように
声や気配のする方向へ
正確に運ばれていく。
私達参加者はおしぼりの袋を開けるのさえ
『おたおた』し
おしぼりの入った袋が軽すぎて
ふわりと広がるだけでも
これまた『おたおた』慌てていた。
匂い、気配、聞こえる音や波動など
気功を始めてから以前より
いろんなことにかなり
鋭敏になっていた気がするけど
ちーちゃんはそのどれもがすごくて
暗闇の中でスイスイと私達を案内してくれた。
私や一緒に参加した人ときたら
怖いと思うと所かまわず周りの人や
そこら中の物を触りまくり
ちーちやんの体や手に
4人くらいが両手でくっついていたらしい。
「ちょっと、すごいことになっているよ」
そう笑いながらも彼女は余裕だった。
暗闇の怖さは
途中からふいに安心感に変わる。
皆が見えないので
皆が協力的で平等だった。
年齢も仕事も何も関係ない。
足を踏んでもぶつかっても優しい。
何か聞かれても
返事は「はーい」とかわいいけど
「あっくん」っていうあの男性の声はきっと
かなりのおっさんだったよな。
見えないことは怖いけど
余計なことも見なくていい。
容姿もわからないし
私と話している時の
相手の表情も何もかも見えないから
話すことや聞くことに集中していればいい。
暗闇はだんだん温かく感じて
何だかこのままもう少し
ここにいてもいい気がした。

IMGP5913_convert_20111127220413.jpg

児童文学で「ビビを見た」という本がある。
これは私の大好きな本の一つだけど
子供の時は恐くて読めなくて
ほんの数年前にたまたま読んだ本だった。

ホタルという主人公の少年は目が見えないのだけど
ある日突然、目が見えるようになる。
そしてお母さんや猫、街の人皆が
突然、目が見えなくなってしまう。
その時、ホタル君は勇敢にも1人で
目の見えない人たちを守ろうとするという話。
この本を思い出し
まさに暗闇では私達と視覚障害者の立場が逆転する。
そして暗闇から出ると又
私達はすいすいと動き回り
感動してちーちゃんの手を突然握ると
ちーちゃんはびっくりして
笑いながらもちょっと困っていた。

ダイアログインザダークは
決して目の見えない体験を売りにしているのではなく
見知らぬ人とでも助け合えることや触れ合うこと
コミニュケーションや
普段使っていない感覚を
呼び覚まされることも目的。
そしてこのワークショップを続けることで
視覚障害者の自立を助けたり
私達、見える人にも
新しい可能性をくれるような
そんなすばらしい時間をくれる。

福祉の仕事をしながらも
視覚障害者を「かわいそう」という気持ちがあった。
自分自身が今でもこれだけ目が悪いのに
コンタクトがなくなったら
メガネがなくなったら
目が見えなくなったらどうしようと
思うことがある。
暗闇で見えるのはただ一つ
その人の本質だけ。
柔らかいのか硬いのか
優しいのかいじわるなのか
声や接し方、感じられる雰囲気を
私達は見えるからこそ
見た目に騙されたりする。
「きれいな人、優しそう」
「かっこいい、さわやか」
第一印象が大切だと言われ
ちらっと見ただけで
人を判断してしまうことも多い。
やさしそうに見えても
実はいじわるでびっくりしたり
人相が悪く見えても
高齢者や子供に優しく出来る人もたくさんいる。
大人になってからはどんどん
第一印象や少し話しただけでその人のことが
わかったような気がしてしまう。

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「誰かと話す時は必ず
 その人の神様の部分と話すようにして
 少し話しただけでその人の全部を
 わかったように思うのは嫌いなの」
大好きな森のイスキア主宰の
佐藤初女さんが言ってた言葉を思い出す。
私はいかに見た目だけで、印象だけで
全部を見ようとしていたのかと思い知った。

感動して余韻を引きずる時間もないまま
午後のズーニーさんの講座に向かう。
電車の中の他人の洋服の柄の一つ一つ
いつもなら大好きなボーダー柄でさえ
ごちゃごちゃしている気がした。
あちこちで鳴るアナウンスや電子音も
つり革広告や電車の窓から見える看板も
次々に嫌でも目を開けていれば
目の中に飛び込んでくる情報の束。
聞きたくなくても聞こえる音や
見たくなくても見えてしまうその情報の多さが
うっとおしくてうるさかった。
電車に酔ったのか気分が悪くなって
慌てて電車を降りた。

普段自分はこんなにも視覚に頼って
視覚だけを使っていたんだ。
耳を澄まし、気配を感じようと思えば
想像したり感じたり出来ることすら
きっとそんな感覚を使う前に
見て判断していたんだろう。
まだまだきっと私の中に眠っている感覚は
たくさんたくさんあって
鍛えればきっと感覚はもっと鋭くなるはず。
そしてもっと毎日の生活も
楽しくなるはず。

そんな感想でした!
東京に行ったら、ぜひぜひお薦めです。
あっ、でも終わった後、余裕がないと
私のようにバタバタ急ぐと
ギャップでしんどくなるといけないので
前後たーっぷり時間がある時に行って下さいね。
青森のともこさん
教えてくれて本当にありがとう。

そしてこれからはもっともっと
いろんなシーンで誰かに声を掛けよう。
狭い所を通る時や
急に振り返る時など
靴紐がほどけたら、ちゃんと端によって結び直そう。
見える、見えないは関係なく
ぶつかったり、こけたりは
お互いに気持ちのいいものではない。
そして視覚障害者の人に会ったら
「大丈夫かな」と思わずに
前方に危険な物がないかをすぐに見渡して
暗闇でのエキスパートという
敬意をはらって必要ならばお手伝いをしよう。
何より見た目で相手を決めずに
相手の本質を見ようと思い
しっかり相手のど真ん中の部分と
これからは向き合えるように
私自身の本質もしっかり根を張っていこうと思った。

青い顔で口を抑えて
ホームの椅子に座り込む。
椅子からずり落ちそうになってハッとした。
ズーニーさんの講座に行かなきゃ。
「あかん、遅刻やわ」
急いで東京駅へ向かった。

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