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Posted by 諭吉セブン
 
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再会、札幌~後編~
かなり時間が経ったけど北海道の続きを(4月の話)
前編はこちらから→☆再会、札幌~前編~

飛行機の到着時間を伝えていたので
待ち合わせの時にますみちゃんは
私に何度もメールを送ってくれたらしい。
「早く着いてるから連絡してね」と。
ところがますみちゃんは私の携帯でなく
自宅のPCに送ってくれていた。
なので私も早く着いていたのに
札幌駅で一人、キョロキョロと歩き
待ち合わせの時間に合わせての再会となった。

「どこ行きたい?」「何食べたい?」
ますみちゃんは札幌に着く前から
何度も何度も聞いてくれたけど
ゆっくり話せるのなら
場所も食事もどうでもいい。
そう言いながらもますみちゃんが
いろいろ調べてくれていたので
地下鉄、徒歩、タクシーも乗りながら
あちこちを回った。

_IGP6985.jpg

石屋製菓の白い恋人テーマパークは
私がはしゃいで写真ばっかり撮るので
ますみちゃんは何度もこう言ってくれた。
「花が咲いてる時期に連れてあげたかったな」
小さなテーマパークでは
時間になれば時計仕掛けの人形が歌い踊り
シャボン玉まで空に放たれた。
せっかくなのでと
嫌がるますみちゃんと一緒に
白い恋人の缶に二人の写真を貼ってもらう。

_IGP6987.jpg

帰りに地下鉄に乗ると
突然、同じ車両にいた女性が
病気なのか血か何かを吐きだした。
向い側ににいた男性と
その横にいた女性二人が
慌てながらもティッシュをたくさん出して
その場を何とかしようとする。
少し離れていた私はジーンズから
朝、ななちゃんの散歩の時に
使わなかったうんち用のビニール袋を提供し
ますみちゃんはさっきのラーメンを食べた時に
持ち帰った紙おしぼりをカバンから出す。
そんな感じでそこにいた人が皆
自分の持っているものを取り出して
その女性を助けようとする。
持ち寄られたものは私(ななちゃん)の
うんち用のビニールも
ますみちゃんのおしぼりも
かなり役に立った。
そして電車が止まり
特に知り合いでもなかったような
その場にいた人はバラバラに離れ
気分が悪くなったその本人は
一番に電車から降りる。
何だかその光景は
とても不思議なんだけど温かかった。
お互いに知り合いなのかわからないけど
ほぼ無言で助け合っている感じ。
札幌の人って優しいなと感動した。

夕食はますみちゃんが調べてくれた“イタリアン”
好き嫌いが多いので申し訳なくて
ピザとかパスタとか
そんなものでいいと言ったからだ。
ますみちゃんも初めてというその店は
ビルの地下にあって
軽く仕切られたソファー席に
二人並んで座る。
飲み放題にしたので
ますみちゃんはたくさん飲んで酔っ払い
お店にあったブランケットを
何度も私の膝にかけなおしてくれる。
ますみちゃんのスカートは短く
確かにブランケットは掛ければ温かいし
何となく落ち着くけど
私は寒くもなくジーンズなので
別にどっちでもいいのだけれど
ますみちゃんは酔っているので
何度も小さなブランケットを
私に掛けてくれる。
その様子がおかしくて
ちょっと照れ臭いのも手伝って
何度も足を組み替えたりして
ブランケットをけるのだけど
それでもますみちゃんは夢中で話しながら
又、私の膝にブランケットを掛けてくれた。

_IGP6998.jpg

「夜景が観たい」と言ったので
プリンスホテルのラウンジに連れて行ってもらう。
ますみちゃんは朝からちょっと仕事をしてきたので
スーツだったけど
私はだらっとしたジーンズだったので
ホテルの人に申し訳ないくらいだった。
札幌に着いてからすぐに気づいたのだが
4月も半ばとは言え札幌はとても寒く雪も残る。
なので観光客は厚着だ。
なのに地元の人たちは
スプリングコートを着ている。
「寒いのに強いのかな」とますみちゃんに聞くと
「違う、札幌の人は強がってるだけ」らしい。
せっかく春なので
本当はダウンを着たいけれど
春の気分を味わいたいから
薄着でがんばっているらしい。
北海道人はそうやって
春の服も夏の半袖や短パンも
外気に合わせると着れないので
がんがんにエアコンで調節してでも
薄着で調整するんだとか。
(これはますみちゃん個人の意見かもしれません)

テレビ塔まで続く夜景は
幻想的なほど素敵で
ラウンジは私とますみちゃんの貸切だった。
おまけにサービス料もかからずに
1000円もしない飲み物だけで
何時間もしゃべる。

なぜお金がないのか
なぜ幸せになれないのか
悪いことを探したらキリがない。
それはやめて
どうしたら幸せになれるのか
どうしたらいいのかを
考えて生きてきたと言うますみちゃんは
酔いが覚めてもいっぱい話してくれた。

イギリスから戻り
大好きな人と結婚するが
借金もたくさんあった人なので
返済までのその道は
想像以上にとても険しかったらしい。
やっと努力が実った後も
又、誰かに騙されて借金を背負ったり
もう好きで一緒にいたいからとか
そういう問題ではなくて
どんな状況でも生きていくしかない。
そう思いながらもマイナスに引っ張られる気持ちを
必死でプラスに持って行く為に
まずは言葉から変えた。
「でも」「けど」は使わない。
すべて「ただ」に置き換える。
「でもお金がない」
「けどお金がない」でなく
「ただお金がないだけ」だと
そんな風に言い聞かせて
奮い立たせて2人の子供を育てながら
必死で生きてきたらしい。

20年も会えなかった友達
なぜ会えなかったのか
なぜ今会えたのか
ますみちゃんと会って話して
わかったことや気付いたことが
私にはいっぱいある。
必死でお金を貯めて行ったイギリスで
希望も夢もいっぱいの20年前の自分。
日本に帰ってきてわかった事実や現実に
何度も崩れそうになった。
結婚生活ってこんなにしんどいものなのかな。
幸せそうな同年代の奥さんを見るたびに
私とこの人はどこがどう違って
こんな風になってしまったんだろうと思った。
やりたくない仕事もいっぱいした。
それでも目の下のクマは化粧で隠れるし
ドリンク剤で何とかなる体は
倒れそうでもなかなか倒れない。
ますみちゃんが北海道でがんばっていることが
私の支えだった。
ますみちゃんと違って
こっちは結局離婚したけど
あの頃の名残と言えば
短時間睡眠が染みついて
どれだけ疲れていても4時間で目が覚めて
6時間以上寝るとしんどくなることくらいかな。

今会いたいと思えたのはきっと
仕事を辞めるので時間が出来たからでなく
気持ちに余裕が出来たからでもない。
吉報位が北海道だったからでもない。
昔のようにちゃんと今の自分のことが
偽りなく話せて
先の夢も語れるように
なったからに違いない。

ますみちゃんが札幌駅前のホテルまで
送ってくれて私達は別れた。
会えて本当に嬉しかったので
別れる時の寂しさといったらなかった。
再会を約束して
涙を堪えて別れた。
今度はきっと二十年後でなく
一年後でも二年後でも会えるように
私もがんばろうと思った。
「ありがとう。ますみちゃんと友達で良かった」
そう思いながらますみちゃんの後姿を見送る。
札幌の街に響く靴音は
どんどんどんどん遠くなっていく。
ますみちゃんは携帯を触りながら
振り返らずに歩いていく。
姿が見えなくなるまで靴音が聞こえなくなるまで
その場所を動きたくなかった。

_IGP7084.jpg

翌日、京都に戻ると自宅のパソコンには
私と別れた直後にますみちゃんが
送ってくれたメールが届いていた。
今度は間違わなかったみたいだ。
「携帯にメールすると、すぐに返事を
 返してくれると思うから自宅に送っとくね。
 京都に戻ってから読んでね。
 ~中略~ 友達で良かった!」

私が思っていたことと
全く同じ感情を
ますみちゃんは抱いてくれていたことに
メールを開いた瞬間、ただ涙が溢れた。

あれから二カ月経って
ブログに北海道でのことを書いたら
プリントして送ることになっていたけど
(PCを開かないのでブログを読まない)
ようやくこれで送れそう。
ますみちゃんが私に
一番ブログに書いて欲しがっていたのは
自分の話でも私と過ごした時間でもない。
彦〇呂に会えたことでもなくて
地下鉄の中で助け合う
優しい札幌の人のエピソードらしい。  
                  <了>

_IGP7918.jpg
 





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